デメリット(1) 相続対策として考えた場合
前述しました相続対策(相続税軽減)を目的とする賃貸マンション建設には
別面、デメリットも考える必要があります。
そのデメリットとは、賃貸マンションを建てることで資産価値を下げることになり
逆ザヤになってしまうということです。
具体的にどういうことかと言いますと
2億円の土地に3億円の建設費でマンションを建てた場合
資産価値としては 2億+3億=5億 となるはずですが
これを売却することになった場合、5億では売却できないのです。
《総額5億の資産価値はどうなってしまうのか・・・》
というのも、賃貸マンションは収益物件となるため
購入する側(買主)の対象は、収益力を重視する投資家が相手となってしまいます。
投資家というのは当然のことながら、収益力に魅力がなければ
購入のメリットがないため、その立地や管理状態、さらには
その賃貸物件がどの程度、収益を上げてくれるか(収益性)を重視します。
そして通常、投資家は、築年数や立地にもよりますが
一般に年の利回りを6~8%程度は要求してくるため
収益物件の売却の際は先ほどの例のように、総額5億の物件でも
売却額はそれを大きく下回るケースが多いのです。
年間賃料収入(収益)を2100万円と仮定し、これを築5年後に売却するとして計算しますと
売却の際の想定利回りが6%の場合、2100万÷6%=3億5千万 となり
売却価格は3億5千万程度に下がるということになります。
つまり、総額5億の資産が5年後には、1億5千万近く目減りしてしまうのです。