近年、「ドバイの不動産が熱い」「税金が安い」「富裕層が集まる」といった話題を
よく耳にするようになりました。
実際に、資産分散の一環として海外不動産に目を向ける方も増えている印象です。
ただ、こうした情報に触れるたびに、少しだけ立ち止まって考えてみてもいいのではないかと思うのです。
不動産の価値とは、本当に「利回り」や「税制」だけで測れるものなのでしょうか。
目次
エネルギー不安と資源の視点
最近の中東情勢や原油価格の高騰など、不安定なニュースが続いています。
日本はエネルギー資源が乏しい国だとよく言われ、その点に不安を感じる方も少なくありません。
しかし一方で、日本には「水」や「自然」といった、見落とされがちな資源があるのではないでしょうか。
日本の強みは「水」と「自然」
日本は世界的に見ても、水資源が非常に豊かな国です。
蛇口をひねれば安全な水が出るという環境は、決して当たり前ではありません。
四季のある気候と自然環境も含めて、
日本は「自然そのものがインフラ」として機能している国だと言えるかもしれません。
私の原体験としてのドバイ
40数年前、ヨーロッパへ向かう際に南回りでドバイに寄港していた頃、
そこはただ砂漠が広がる場所でした。
それが今では世界屈指の都市へと変貌しています。
この発展は本当に驚くべきものです。
ただ同時に、「水のない土地がここまで発展した」という事実は、
今改めて考えるべき重要な視点を含んでいるように思うのです。
ドバイの魅力と“構造的なリスク”
ドバイの現実を少し冷静に見てみると、次のような構造が見えてきます。
● 水:自然には存在せず、海水淡水化に依存
● 食料:ほとんどを輸入に依存
● エネルギー:外部環境や供給に大きく影響される
つまり、生活の根幹が「外部条件」に大きく依存している都市だと言えるのではないでしょうか。
平時においては、これはむしろ効率的で合理的です。
高度なインフラによって、快適で豊かな生活が実現されています。
しかし、ひとたび国際情勢が不安定になった場合、
この構造は一気に「弱点」へと変わる可能性があります。
● エネルギー供給が不安定になる
● インフラが停止する
● 輸入が滞る
こうした事態が重なれば、水も食料も確保できなくなる。
特に水については、数日から1週間もすれば生活は成り立たなくなるとも言われています。
つまりドバイは、
「高度に成立した都市」であると同時に、「外部環境に大きく依存する都市」でもあるのです。
不動産は「生きる場所」という視点
ここで改めて、不動産の本質に立ち返ってみたいと思います。
不動産は、
● 利回りが高いか
● 値上がりするか
● 税制が有利か
といった観点だけで選ぶものなのでしょうか。
もちろん、それらも大切です。しかし、それ以上に大切なのは、
「そこで本当に生活できるのか」という視点ではないでしょうか。
水はあるのか。
食料は確保できるのか。
インフラが止まっても暮らせるのか。
こうした視点を持った上で、不動産を選ぶ必要があるのではないかと、私は感じています。
日本の価値を、もう一度見つめ直す
日本には、水があります。
四季があります。
自然があります。
これは「当たり前」ではなく、世界的に見れば非常に恵まれた環境です。
自然の循環そのものが生活を支えている。
これは大きな強みではないでしょうか。
地方という “もう一つの価値”
さらに、日本の地方に目を向けると、
そこには非常に重要な価値が残されています。
● 豊富な水
● 自然環境
● 農業が可能な土地
つまり、「生活を守るための基盤」がしっかり存在しています。
これらは、これからの時代において
むしろ見直されるべき資産なのかもしれません。

まとめ:どこに価値を見出すのか
海外不動産への投資も一つの選択肢です。
ドバイの魅力も十分理解できます。
ただ、その一方で、不動産の本当の価値とは何か。
それは単なる収益性ではなく、
「人が生きていけるかどうか」という視点にあるのではないでしょうか。
日本の地方、国土全体の価値を見直し、バランスの取れた発展を考えていく。
そして、
● どこに住むのか
● どこに拠点を持つのか
● どの不動産を選ぶのか
これらを「生きる基盤」という観点から考える。
私たちは、この恵まれた国土をどう活かし、どう守っていくのか。
少し立ち止まって、考えてみる価値はあるのではないでしょうか。