生前だからこそ解決できたこと
土地家屋調査士は早速、古い図面からおおよその境界を割り出し、現地を調査し隣地と交渉に入りました。
その際に、昔のこの付近の隣地関係に詳しいご高齢のお父様にも立ち会っていただき、
隣地への挨拶も兼ねて土地家屋調査士にご同行をお願いしたのでした。
幸い、このお父様はご近所ともうまく人間関係を築いておられて、ことのほか円満に解決しました。
南側隣地所有者のひさしの越境についてもすんなりと認めていただいたのです。
これが可能だったのは、お父様がご健在で、長年にわたり近隣と良好な関係を築いてこられたからこそです。
西側の私道も、西側の道路を隔てた所有者との話し合いで真ん中を境界とし、約1年の月日はかかりましたが
なんとか無事に境界が確定しました。
相続後の円滑な売却と兄弟円満
その、約3年後にお父様は亡くなられましたが、相続後すぐにこの土地は売却され、
売却した代金から相続税を払われて、残りは兄弟間でも公平に分けられたとのことでした。
後日、依頼者から私に「親父が元気なうちに、あんたに相談していてよかった。弟も喜んでいたよ。」
と感謝の言葉をいただいたのが、とても印象に残っています。
相続は突然やってきます。
そして土地の価値は、ただの「立地」だけではなく「境界が確定しているかどうか」が大きく影響します。
相続後は10ヶ月以内に相続税の納付という問題が発生します。
ご両親がまだご健在であれば、今がその確認と準備のタイミングなのです。
土地、家屋については、必ず生前に測量をして境界の確定をしておくことです。
これは、後に問題を先送りしない不動産所有の鉄則だと思います。
わたしたち不動産業者は、相続の専門家と連携しながら、まず現地の「今」を見つめるお手伝いをしています。
(2)親の生存中に測量をしていて大正解【大阪】… 終わり