不動産価格の高騰が続いています。
特に大阪市内など都市部では、インバウンド需要の増加・建築費の高騰・再開発の活発化などを背景に
ここ10年で地価が大きく上昇しています。
こうした中で「共有名義の不動産」をお持ちの方にとって、今こそが売却の大きなチャンスです。
たとえば、弊社のお客様で10年ほど前に、昭和40年代に建てられた古い賃貸ビルを
兄弟3人で共有されていた方がいました。
このビルは老朽化が進み、外壁のタイルが剥がれ落ちる危険もあり、万一歩行者に当たれば
大事故になりかねない状態でした。
しかし売却を検討しても、共有者間の意見が合わず、話がなかなか進みませんでした。
というのも、このビルには複数の賃借人が入っており、そのままでは買い手からの評価が
大きく下がってしまうため、売却には全テナントの退去が必要というハードルがあったのです。
さらに共有者のお1人が、亡きご両親が長年ここで暮らしていたという思い入れから
「売却には断固反対」の立場を取っていたのに対し、他の2人は売却・現金化を望んでいたため
長年にわたって対立が続いていました。
弊社では、立地の良さからマンション開発向きと判断し、デベロッパーに売却することで
反対されていた共有者の方には “等価交換” で同地に自宅を確保できる案もご提案しました。
しかし、この提案にも3者の合意は得られず、当時は見送られることとなりました。
とはいえ、この3人の共有者はいずれも還暦近くになっておられ、次第に
「このまま子どもたちの代に移行すれば、名義がさらに分散し、管理や意見のとりまとめが
より困難になるのではないか」と将来を見据えて売却の必要性を考えるようになりました。
そして近年、大阪市内の地価が急上昇したことにより、状況が変化します。
デベロッパーの側から「賃借人の退去交渉はこちらで行います」という条件を提示され
買主側がリスクを引き受ける形での提案が成立。
これにより、長年売却に反対していた共有者も納得し、ようやく合意に至ったのです。
売却後、3人は長年の懸念から解放されたとともに、得られた現金をそれぞれの老後資金として
活用する目処が立ったことに大変喜ばれていました。
感情的な問題や将来の不安を乗り越え、資産を“現金化”することの重要性を象徴する好例です。
(1)不動産価格の上昇は共有物件売却の大きなチャンス … 続く