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(2)子や孫に相続させるべきでない不動産

借家人付き物件の資産価値は?

 

この家主さんからすれば、立地も良いし資産価値はあると思っておられるようですが

入居者がいることで自分たちが住むこともできず、収益としても固定資産税や

今後考えられる修繕費用などを計算に入れると収益はほとんど期待できません。

 

入居者が退去してくれれば、立て替えや売却で良い物件にはなるのでしょうが

今回のケースのように、代々永住するつもりで大がかりにリフォームしている場合

それも期待はできないでしょう。

 

 

老朽化建物の地震のリスク

 

今後の問題として、自然災害による建物の倒壊なども視野に入れる必要があるでしょう。

 

多大なる修復費用や以前の私のブログにも掲載しましたが、地震などの倒壊による

入居者の死亡や負傷があった場合、家主側の責任を問われる可能性があります。

そうなると補償額も膨大になることが予想されます。

 

残念ながら、地震に対する人命や負傷を対象とする賠償責任保険は無いのが現状です。

 

 

 

 

 

今回、このケースで物件の所有を続けることは資産価値よりも

リスクの方が多大になるといえるでしょう。

 

こんな物件をかわいい子供や孫に絶対に相続するのはどうかと思うのですが・・・

自分の代できちんと決着をつけておくべきではないでしょうか?

 

方法としては次のことが考えられます。

《1》借家を賃借人に売却する。

《2》入居者が購入の意思がない場合は、プロの不動産業者に声をかけてみる。

《3》入居者に立ち退き費用を支払ってでも退去してもらう。

 

このケースの場合は、《3》は現実的に無理でしょう。

私も《1》か《2》を進言しましたが、これらについては

いまだ未解決のまま現在に至っています。

 

  

 

階の増築部分は貸主に名義変更を提言

 

今回の件で、私はこの家主さんに、2階の増築部分についてはこの先も

借主名義のままでは権利関係が複雑になり、後に大きな問題を引き起こす

可能性がある旨を説明しました。

 

建物の一部が借主さん名義のままだと、借主にこの所有権を後々主張される可能性があります。

 

そうなると解体や増改築、さらに売却の場合も借主の承諾を取る必要があり

大いに揉めることが予想されるからです。

 

家主さんは当初「入居者が勝手に増築しているのに何で自分が固定資産税まで

支払わないといけないのか?納得いかん。」と反論されていました。

 

しかし私がこれを先送りするデメリットを説明したところ、この家主さんも納得されたのでした。

 

借主さんが今まで支払ってきた固定資産税の全額を借主さんへ支払うことで

貸主借主の双方が合意に至りました。

 

その後、貸主の弁護士さんのもと合意書を交わし、名義変更は無事終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

(2)子や孫に相続させるべきでない不動産 … 終わり

 

 

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