最近、こんなご相談をお客様からいただきました。
「いま住んでいるマンションの家主さんから手紙が来て、翌々月から家賃を
2万円上げたいって言われたんです。急で納得できなくて・・どうすればいいでしょう?」
弊社の営業エリアである大阪市の天王寺区や中央区(玉造、鶴橋、上本町、森ノ宮、谷町周辺)では
ここ数年じわじわと家賃が上昇傾向にあります。
とくに駅から近く、築浅の物件では家賃の相場が明らかに変わってきています。
そうした地域の流れをお伝えしたところ、お客様はふとこうおっしゃいました。
「でも、テレビでは空き家が増えてるって言ってるじゃないですか?
家が余ってるなら、家賃はもっと安くなるはずじゃないんですか?」
・・・確かに、もっともな疑問です。
空き家があっても「住める家」とは限らない
たしかに、日本全国で空き家は年々増えており、社会問題としても注目されています。
しかし、実際に「すぐに住める賃貸物件」として使える空き家は、意外と少ないんです。
老朽化していたり、設備が古すぎて今の入居基準に合わなかったり、
リフォーム費用が高すぎて貸し出すのが難しいケースが多いんですね。
一方、住みたい人が多い都心の便利なエリアでは、そもそも貸し出せる物件が不足しています。
つまり、空き家が増えている=住みたいエリアに家が余っている、というわけではないのです。
家主さんの立場も知ってほしい
今回ご相談いただいた家主さんについても、実は事情がありました。
その方は、バブル崩壊後の約30年間、一度も家賃を上げることなく、今の賃料を維持してこられたそうです。
ただここに来て、建築費や資材費、人件費などが大きく値上がりし、建物の修繕費もどんどん高騰しています。
長く大家業を続けていくには、どうしても家賃を見直さざるを得ないタイミングだったようです。
そこで私は、お客様にこうご提案しました。
「家主さんにも事情があることを理解した上で、2万円の値上げが厳しいのであれば
1万円程度の値上げで交渉してみるのはいかがでしょうか?」
結果的に、お客様がそのように伝えたところ、家主さんもなんとか応じてくださり、
1万円の値上げで双方納得のうえで合意に至ったとのことでした。
今回のケースでは、お互いの立場を尊重して話し合った結果、円満に解決できたことがとても印象的でした。
これからどうなる?今後の大阪市内の家賃の動き
空き家問題がある一方で、都市部の人気エリアでは今後も家賃の上昇傾向は続く可能性があります。
そして、建物の維持費や修繕費がかさむ今の時代、家主さん側も苦労しながら経営しているのが現状です。
借主からすれば、このインフレで生活が苦しい中「家賃の値上げ!とんでもない。」と言いたいところですが
家主さんの事情を考えると、ちょっと見え方が変わるかもしれません。
もちろん、納得できないことがあれば、無理に受け入れずに話し合うことも大切です。
まとめ
「空き家が増えているのに、なぜ家賃が上がるのか?」
この疑問には、地域差や物件の状態、経済的背景など、さまざまな要素が絡んでいます。
誰にとっても身近な“住まい”だからこそ、こうした現実を知っておくことはとても大切だと思います。
みなさんはこの状況をどう感じますか?