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空き家はあるのに借り手がつかない…なぜ?

「空き家が増えている」とはよく耳にします。

 

でも、実際にその家がすぐに誰かの住まいになるわけではありません。

 

先日、大阪郊外で長年暮らしていた一軒家を所有されているご年配のご夫婦から、こんなご相談がありました。

 

 

「空き家にしておくのはもったいないから、誰かに貸して使ってもらえたらいいのに…」

 

 

その思いはもっともですが、実際に「貸す」となると、現実にはいくつもの壁があるのです。

 

 

 

魅力的なのに貸せない理由とは?

 

このご夫婦がお持ちの物件は、4LDK二階建ての木造住宅、築50年近くの物件です。

 

1台分のガレージ付きで、駅から徒歩15分。

 

周辺には一戸建て賃貸が少なく、条件としては決して悪くありません。

 

幹線道路が近くにあり、大型スーパーやドラッグストアも建ち並び買い物の利便性はよい立地です。

 

ところが・・・

 

 

 

内装が時代遅れ

 

◆ お風呂はタイル張りの床に「バランス釜」

◆ キッチンやトイレ、洗面台もすべて全面リフォームが必要

◆ リビングルームは狭く、和室が2間の昔ながらの間取りで、今の家族のライフスタイルには合わない

 

 

こうなると、仮に賃貸に出したとしても、現状のままで借り手がつくことはまずありません。

 

 

 

 

 

ご夫婦の現状と切実な思い

 

このご夫婦はすでに年金暮らしで、老後の生活設計を考えると今さら500万円もの費用をかけて

家をリフォームするのは正直きびしいところです。

 

 

だからこそ、「できればこのまま借りてくれる人はいないだろうか?」というのが本音でした。

 

 

お気持ちはよくわかります。でも現実として、私は率直にこうお伝えしました。

 

 

「いくら一戸建てとはいえ、ご自身で改修費を支払ってでも借りたいという方は、まずいませんよ。」

 

 

つまり、借主側も「すぐに住める状態」が当たり前の時代。改修が必要な物件は、それだけで選択肢から外されてしまうのです。

 

 

 

 

コストの問題 ~リフォームに500万円?~ その回収には・・・

 

 

リフォーム費用をかけたとしても、周辺の相場から家賃は月12万円前後。

 

初期投資の回収には4〜5年はかかりますし、その間も固定資産税や修繕費などのコストが継続的にかかってきます。

 

 

その上、築年数も建っているために老朽化も進んでおり、屋根や外装工事も近い将来に大がかりに行う必要があります。

 

ここにかかる費用も半端ではありません。

 

 

収益物件として考えたとき、これは決して「気軽に始められる賃貸」ではありません。

 

 

 

 

結論》  空き家問題の根底には“改装コスト”というハードルがある

 

 

世の中では「空き家問題」が取り沙汰されますが、空いている家をすぐに貸せるとは限りません。

 

特に築年数の経った住宅では「現代の暮らしに合わない」ことが多く、それを補うには大きな投資が必要です。

 

 

このご夫婦のように、「貸せると思ったけれど現実は厳しい」というケースは全国にたくさんあります。

 

空き家があっても市場に出てこない背景には、こうした“貸したくても貸せない”現実があるのです。

 

 

 

まとめ

 

 

空き家活用は、「物件があるだけ」ではうまくいきません。

改装、初期投資、ニーズの変化…さまざまなハードルを乗り越える必要があります。

 

これから空き家をどう活かしていくか・・・

 

空き家問題を解決していく上で国や自治体も一緒に対策を考えていく必要があるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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