測量を持ちかけて振り込め詐欺
当社では、不動産全般のサポートを行っておりますが
先日、お客様から相談を受けた「測量詐欺」の件について
皆さまに注意喚起をしたくブログにまとめました。
この詐欺は特に地方の山林や原野をお持ちの方が狙われやすいため
ぜひ最後までお読みいただき、周囲にもシェアしてください。
実際にあった事例
ある賃貸マンションの管理を通じてお世話になっているお客様から
このような相談を受けました。
そのお客様は北海道のY町に山林・原野を所有しており
ある日突然「〇〇測量事務所」という名の知らない業者から
電話があったとのことです。
《電話の内容》
◆ Y町は近いうちに新幹線が通過する計画がある
◆ 駅も建設予定であり、土地の値段が上昇する可能性が高い
◆ そのため役所から測量を行うよう指示が出ている
◆ 測量には30万円程度の費用がかかるが依頼してほしい
「これは必要な手続きなのか?」と不安になったお客様が当社に相談に来られたのでした。
当社が行った確認と対応
Y町は確かに北海道新幹線の駅が出来る予定で、内浦湾に面し
風光明媚で函館からも近く発展する余地のあるところではあります。
私はまず、「本当に測量が必要なのか?」を確認するため、Y町の役所に直接連絡を取りました。
お客様の所有物件の住所を伝え、以下の点について確認しました。
◆そのエリアで新幹線計画はあるのか?
→ 確かに新幹線はそのエリアを通過しますが、すべてトンネルを通る計画であり
駅の建設や周辺開発の予定はありませんでした。
◆役所が測量を依頼することはあるのか?
→ 役所から測量を指示したり、不動産所有者に通知することは一切ないとの回答でした。
以上の回答から、「これは詐欺の可能性が高い」と判断しました。
次に、私は測量事務所の封筒に記載されていた連絡先に電話をしてみました。
「この依頼主とは以前から交流があり、今回測量の件でご相談をいただいたので
その内容の確認のため、今回電話した旨」を伝えました。
すると、相手はまさか不動産業者から直接確認の電話が入るとは思っていなかったのか
電話口で慌てた様子で、以下のような返答をしました。
「測量はもう必要ないですか?」 「それならこの話はやめますか?」
あまりに不自然な対応で、結果としてこの測量事務所は事実無根の情報を基に
測量費を振り込ませようとしていた「振り込め詐欺」だった可能性が非常に高いことが分かりました。
このような詐欺の手口と特徴
今回の事例から、以下のようなポイントに注意する必要があります。
1.突如連絡してくる見知らぬ業者
普段関わりのない測量事務所や不動産関連業者から急に連絡が来た場合
まずは疑ってください。
2.耳障りの良い話を強調
「新幹線の通過」 「土地の値上がり」など、所有者にとって有利に聞こえる
情報を強調し、不安を煽ってきます。
3.高額な費用の提示
測量費用として数十万円を提示し、すぐに振り込みを求めるケースが多いです。
4.役所の名をかたる
「役所からの指示」など公的機関を名乗ることで信用させようとする手口です。
被害に遭わないための対策
1.必ず公式機関に確認を取る
今回のケースのように、まずは役所や信頼できる不動産会社に相談し
情報の真偽を確認してください。
2.即決しない
焦って判断せず、必ず家族や専門家に相談してください。
3.詐欺の可能性を疑う心構えを持つ
「うますぎる話」「急な連絡」には詐欺の可能性があることを念頭に置いてください。
まとめ
今回のお客様は詐欺被害を未然に防ぐことができましたが
一歩間違えば数十万円の被害を受ける可能性がありました。
このようなケースは全国で発生しており、特に山林や原野を所有する方は
ターゲットにされやすい傾向があります。
最後に…
この依頼主の方は、測量士にお金を振り込む寸前まで行っておりました。
弊社に来られ、私は依頼主の前で、役所やこの測量事務所へ電話をし
私との電話のやりとりで依頼者自身もこれは怪しいということを
ご自分で察知されて納得されました。
弊社にお礼を言って帰宅された次第です。
弊社から警察にも通報
なんとか被害を食い止められ、ほっと一安心でした。
弊社はこのすぐ後に、この測量事務所の連絡先を、被害が広がらないように
所在地の管轄する警察に連絡をしました。