古いオフィスビルがマンションに建て替えられる動きが加速
町を歩いていて
「あれ、ここに事務所ビルがあったはずなのに、もうマンションになっている」
と感じられた方は少なくないのではないでしょうか。
実はこれは、東京だけでなく大阪でも同じことが起きています。
特に、私どもの事務所がある玉造・森ノ宮・鶴橋・上本町周辺—大阪市天王寺区・中央区・東成区といったエリアでは
交通も至便で、ここ数年で分譲マンションの建設ラッシュが続いています。
街並みがどんどん変わり、かつては事務所や店舗が並んでいた場所が、気づけば高層マンションへと姿を変えているのです。
背景にはビルの老朽化、維持費の増加、そして地価の高騰
では、なぜオフィスビルが減っているのでしょうか。
大きな理由のひとつは「老朽化」と「維持コストの増加」です。
築年数の古いビルは、耐震補強や修繕、設備の入れ替えなどに莫大な費用がかかります。
さらに地価の高騰によって土地の価値が高まり、オーナーさんにとっては
「改修して貸し続けるよりも、売却してマンション用地にした方が効率的」と判断するケースが増えています。
結果として、事務所の供給は年々減少しているのです。
小規模オフィスを探す人にとってはますます厳しい市況
実際、弊社にご相談に来られるお客様の中には
「15坪から30坪くらい、あるいはそれ以下の規模で事務所を探したい」という方が多くいらっしゃいます。
しかし、条件に合う物件は以前よりもかなり少なくなってきており、皆さま口をそろえて
「なかなか見つからない」とおっしゃいます。
これは小規模オフィスを求める事業者さんにとって深刻な問題です。
今後も続くオフィス不足
この傾向は今後もしばらく続くと見られます。
分譲マンション需要は根強く、収益性や利回りの観点からも開発業者がオフィスよりマンションを優先する流れは
止まりそうにありません。
オフィスの空室率がニュースで語られることもありますが、中心部の小規模物件に限っていえば
むしろ「空室が少なすぎる」という逆の現象が起きているのです。
街が変わっていくのは自然な流れですが、働く場所が減っていくというのは地域にとっても
町並みや環境の変化に大きな影響を及ぼします。
これから事務所を探される方は、エリアを少し広げ、大阪市の中心部から離れた物件や
シェアオフィスといった新しい選択肢も検討された方が良いかもしれません。
私は、「住む場所」と同じように「働く場所」も地域の大切な資源だと考えています。
これからオフィスを探される方々にとって少しでもお役に立てるよう、日々市況を見守りながら
情報をお届けしていきたいと思います。