TELで
ご相談予約
  1. 不動産ブログ
  2. 相続問題・相続税対策
  3. 親の生存中に測量をしていて大正解【大阪】 

親の生存中に測量をしていて大正解【大阪】 

相続問題はまず不動産の現状確認から

~親の生存中に早めの対策がベスト~

 

 

境界確定が未来の安心につながる理由

 

親の土地や家を相続することに、どんな準備が必要かご存じですか?

「まだ元気だから大丈夫」と思っているうちに、思いがけないトラブルに直面する方が少なくありません。

 

今回は、実際に大阪市内で起きたひとつのご相談を通じて

「不動産の相続において、早めの不動産境界問題の解決はとても大切」について考えてみたいと思います。

 

 

 

相続の第一歩は 「資産の現状把握」

 

ご相談いただいたのは、20年以上のお付き合いがある男性の方で、83歳のお父様が元気なうちに

将来の相続について兄弟で揉めないよう準備をしたいとのことでした。

 

相続財産は大阪市内のご自宅と現金。それに一番の資産価値を持つのは、80坪の土地でした。

 

土地80坪は月極ガレージとして使用されておりました。私は、現地を案内されて驚きました。

というのも問題は「いくらで売れるのか?」ではなく「ちゃんと売れる状態かどうか・・・」でした。

 

 

 

 

 

 

 

境界未確定が資産価値を下げる

 

そのガレージは角地にあり、舗装はされておりませんでしたが前面道路幅も8メートルあり

敷地の日当たりは良く住宅地として転用すれば条件は良好な物件でした。

 

しかし、西側に幅2mの私道と思われる通路が、この物件に7m近く接しているのですが

道路と敷地の境界が不明確でした。

 

さらに、この物件の南側の隣家のひさしがこの物件に越境している可能性があり、

境界付近と思われる付近に排水の会所も2カ所ありました。

この会所はどちらの敷地にあるかわからない状況でした。

 

これらの境界を確定するのは大変な作業だなあと私は思いつつ、土地の評価を出す以前に

これらの境界確定の必要性をこの依頼主に説明しました。

 

納得はしてくださったものの、土地家屋調査士の見積もりが約80万円という旨を伝えると

「えっ、そんなにかかるの?」と驚いておられました。

 

しかし、私はこれをお父様がご存命の間に解決しておく必要性を熱心に伝えるとともに

「仮に路線価で坪80万円、実勢価格で坪100万円超の価値があっても、隣地と揉めていれば

買い手はつきにくいし、仮に買い手が見つかっても価格も下がりますよ。」と伝えたところ、

依頼者も「そやなあ。買う人も高い買い物になるから、しゃあないわなあ。」と理解してくださり

なんとか測量の作業に取りかかれたのでした。

 

 

 

 

 

生前だからこそ解決できたこと

 

 

土地家屋調査士は早速、古い図面からおおよその境界を割り出し、現地を調査し隣地と交渉に入りました。

 

その際に、昔のこの付近の隣地関係に詳しいご高齢のお父様にも立ち会っていただき、

隣地への挨拶も兼ねて土地家屋調査士にご同行をお願いしたのでした。

 

幸い、このお父様はご近所ともうまく人間関係を築いておられて、ことのほか円満に解決しました。

 

南側隣地所有者のひさしの越境についてもすんなりと認めていただいたのです。

 

これが可能だったのは、お父様がご健在で、長年にわたり近隣と良好な関係を築いてこられたからこそです。

 

西側の私道も、西側の道路を隔てた所有者との話し合いで真ん中を境界とし、約1年の月日はかかりましたが

なんとか無事に境界が確定しました。

 

 

相続後の円滑な売却と兄弟円満

 

その、約3年後にお父様は亡くなられましたが、相続後すぐにこの土地は売却され、

売却した代金から相続税を払われて、残りは兄弟間でも公平に分けられたとのことでした。

 

 

後日、依頼者から私に「親父が元気なうちに、あんたに相談していてよかった。弟も喜んでいたよ。」

と感謝の言葉をいただいたのが、とても印象に残っています。

 

 

 

 

 

相続は突然やってきます。

 

そして土地の価値は、ただの「立地」だけではなく「境界が確定しているかどうか」が大きく影響します。

 

相続後は10ヶ月以内に相続税の納付という問題が発生します。

 

ご両親がまだご健在であれば、今がその確認と準備のタイミングなのです。

 

土地、家屋については、必ず生前に測量をして境界の確定をしておくことです。

 

これは、後に問題を先送りしない不動産所有の鉄則だと思います。

 

 

わたしたち不動産業者は、相続の専門家と連携しながら、まず現地の「今」を見つめるお手伝いをしています。

 

 

大阪・真田山の地で住まいのアドバイス歴約50年各種物件や土地活用から相続問題など 不動産のことならどんなことでも私にご相談ください

大阪府内物件を中心に不動産に関する
あらゆるお悩みやニーズを迅速・的確に解決します。

公認不動産コンサルティングマスター
株式会社フジモト産業 代表取締役 藤元善章

記事の一覧