「地方の魅力発信×鉄道の活用×インバウンド誘致」の可能性
もちろん、課題もあります。
アクセスの不便さ、言語の壁、情報の不足など、外国人旅行者が地方に足を運びにくい理由は少なくありません。
それでも、地域と行政、観光業界が一丸となって
「地方の魅力発信×鉄道の活用×インバウンド誘致」に取り組めば、大きな可能性が広がるはずです。
鉄道が観光だけでなく “地域体験の起点” になるような仕組みも考えてみてはどうでしょうか。
駅前にある小さなカフェや古本屋、シェアハウス、地元食材を使った食堂。
若者が「面白そう」「居心地よさそう」と感じるような場所が、点ではなく線となって地域に広がっていけば、
それ自体が旅の目的になり、やがては移住のきっかけにもつながっていくのではと思うのです。
そのためにも、地方にインバウンドを呼び込む取り組みと同時に、日本人の学生や若者が現地で活躍できるような
ボランティアや体験プログラムを都市部から募集するのも一つの方法ではないでしょうか。
たとえば、駅前や商店街の活性化に向けて、空き家を自治体が借り上げる、あるいは家賃補助の制度を整備して
「地方で働きたい」「何かに挑戦したい」と考える人を受け入れる仕組みをつくることも重要です。
さらに、子育て世代が安心して移住できるように、保育所の整備や教育・医療環境の向上も
並行して進めていけばどうでしょうか。
これをきっかけに、暮らしにまでつながる仕組みが整えば、鉄道の沿線に息づく町々が、
もう一度新しい命を吹き込まれていくのではないでしょうか。
地方が活気づくことが、ひいては少子化対策にも一役買うのではないかと思うのです。
地域に根差した小さな変化の積み重ねが、未来の大きな可能性につながっていく・・・私はそう信じています。
(3)インバウンドを地方都市にも〜鉄道と観光資源で未来をつなぐ〜 … 終わり