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借地を売却したいが地主が拒否! どうすればいい?【大阪市内物件】

 

相談内容:借地を売却したいが地主が拒否!

 

「親が住んでいた借地を売却したい」と考えたとき、地主から

「更地にして返してほしい」「第三者への売却は認めない」と言われたら

どうすればいいのでしょうか?

今回は、実際にあった相談事例をもとに、借地売却の難しさと対応策について解説していきます。

 

 

10年ほど前、大阪市内の幹線道路に面した約20坪の借地に

相談者のお母様が2階建ての古家に住んでいました。

 

しかしお母様が他界され、相談者はこの借地を売却したいと考え地主に相談したところ

「買い取るつもりはない」 「更地にして返してほしい」

「第三者への売却も認めない」 と、一方的な主張をされてしまいました。

 

相談者としては解体費用もかかるし、先祖代々受け継いできた家に

価値があるはずだと考え、不動産会社である当社に相談に来られました。

 

 

 

 

 

 

借地の価値は本当にゼロなのか?

 

確かにこの物件は築古で老朽化が進み、建物自体の価値はほとんどありません。

ですが、借地権には価値があることをご存じでしょうか?

 

このエリアの借地権割合は60%と設定されており、税法上の理論では

土地の更地価格の60%の価値を借地人が持っていると考えられます。

 

◆この土地の更地価格は坪100万円ほど

◆20坪あるため、土地全体の価値は約2,000万円

◆その60%の1,200万円が理論上の借地権価格

つまり、借地権だけでも1,200万円の価値があるはずなのです。

 

しかし、問題は地主の対応でした。

 

 

 

地主が借地権の買取に応じないケース

 

今回の地主について近隣の不動産業者にヒアリングを行ったところ、周辺一帯の借地を所有しており

借地権の買い取りには一切応じない方針であることが分かりました。

 

さらに、「借地人が地代を払い続けることに根負けするまで待ち、安く買い取る」という

強硬な姿勢を貫いているとのこと。

 

相談者とともに地主の自宅を訪問し、直接交渉を試みましたが

全く話し合いにも応じてくれず、門前払いされてしまいました。

 

このようなケースでは、借地人が自由に第三者へ売却するのは難しいのが現実です。

 

しかし、このケースのように地主が借地権の買取や第三者への売却に一切応じない場合でも

救済策がないわけではありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

裁判所の許可を得て第三者へ売却できる可能性も

 

借地借家法第19条に基づき、地主が正当な理由なく借地権の譲渡を拒否している場合、

裁判所に「譲渡承諾に代わる許可」を求めることができます。

 

この許可が認められれば、地主の承諾がなくても第三者に借地権を売却することが可能になります。

 

ただし、裁判所の許可を得るためには、以下のようなポイントが考慮されます。

 

◆借地権の譲渡が適正な価格で行われるか

◆新しい借地人が地代をきちんと支払う能力があるか

◆地主側に借地人の変更を拒否する合理的な理由があるか

 

このような手続きを検討する場合は、弁護士や不動産の専門家に相談するのがベストです。

 

地主との交渉がうまくいかない場合でも、適切な方法を取れば売却の道が開ける可能性があるため

諦める前に一度専門家に相談してみることをおすすめします。

 

しかし、いずれにせよ、問題解決まではかなりの時間を要するのが現実です。

 

 

 

借地を売却できない理由とは?

 

◆地主の承諾が必要

借地は原則として地主の承諾なしに第三者へ売却できません。

地主が認めなければ、売却先を探しても意味がなくなります。

 

◆借地の購入者が少ない

よほど価値のある土地でない限り、第三者が借地を購入するケースは少ないです。

なぜなら、購入後も地代を払い続けなければならず、所有権と比べて不利な条件が多いからです。

 

◆金融機関の融資を受けにくい

借地は金融機関の担保価値が低いため、住宅ローンが組みにくいという問題があります。

特に個人の買主が融資を受けるのは困難です。

 

 

 

今回のケースの解決策:建物付きで地主に売却

 

今回のケースで、弊社は裁判により地主さんの承諾をとる方法もあるとの説明をさせていただいたのですが

時間がかかる上に精神的な負担もあるので、そこまではやりたくないとの借地人さんの意向でした。

 

その手間と時間をできるだけ短縮するために弊社で買い取りをする旨もご説明いたしましたが

最終的には、地主に建物付きの状態で買い取ってもらう形で借地人は同意されたのでした。

 

これにより、借地人は解体せずに引き渡すことで、多大の解体費用を負担せずには済んだのですが

買い取り価格はほとんど期待できず、ほぼゼロに近い金額でした。

 

相談者の借地人にとっては、地代を払い続ける負担をなくし、スムーズに手放せるというメリットがあったのですが

場所的には幹線道路にも面し、リフォームをして買い手を探せば、借地権でも結構な売値も期待できた場所ではありました。

 

地主との交渉で大切な点は、売却に応じてもらえない場合、時間的なゆとりを見る必要があります。

 

資金力や時間的問題から、交渉において借地人は不利な立場なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

借地売却で困ったときの対策まとめ

 

◆まずは借地の価値を確認する
→ 借地権割合を調べて、理論上の価値を把握しましょう。

 

◆地主との交渉を試みる
→ 直接売却が難しい場合、建物付きで買い取ってもらう交渉も選択肢です。

 

◆不動産の専門家に相談する
→ 借地の売却は、地主との関係や法律の問題が絡むため、一筋縄ではいきません。

 

借地売却の経験が豊富な不動産会社に相談することで、最適な対応策を見つけられる可能性が高まります。

 

 

このケースの場合、一般の人への売却は難しくても、借地権を不動産業者に買い取ってもらう方向で

話を持っていくのも方法かと思います。

この場合、地主への承諾を得るなどの法的な手続きも業者が動いてくれるので

時間的な手間が省け、精神的にも楽になるかと思います。

 

 

「売れないかも?」と諦める前に、一度、専門家に相談してみるのも良いかもしれませんね。

 

大阪・真田山の地で住まいのアドバイス歴約50年各種物件や土地活用から相続問題など 不動産のことならどんなことでも私にご相談ください

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公認不動産コンサルティングマスター
株式会社フジモト産業 代表取締役 藤元善章

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